オンロードおよびオフロードの高性能スポーツバイクの設計と開発

最先端の技術を使った人間工学的測定および空気力学的測定なしに、ドライバーがスリリングな走りを味わえる高性能バイクを設計することなど不可能です。

課題:CADファイルから各部品の開発を進めていくなかで、スポーツバイクの性能をいかに理論から実践に移せるか?

レース用スポーツバイクの設計には細心の注意が必要です。設計者もエンジニアも、実物の部品がCADデータどおりであることを確認しなければなりません。そのためには、部品をスキャンしてSTLデータを作成し、CADファイルと比較する必要があります。scan-to-CAD比較は、シームレスに行わなければならず、それ故、細部に至るまで明らかにし、カラーマッププロセスで差異を浮き彫りにして修正するには、極めて高いスキャン品質が求められます。

ドライバーの体形もスポーツバイクの性能に影響を及ぼしますが、各ドライバーによって異なる体形にどうやって部品やバイク全体の人間工学的側面を合わせられるでしょうか?

ドライバーは、最適のライディングポジションでスポーツバイクを走らせなければなりません。シート、ハンドルバー、ペダルは、ドライバーの体形に完璧に合わせる必要があります。また、ダッシュボード(オフロードバイクの場合はナビゲーションスクリーンも)の位置も同様で、最適な視力を確保できる目の位置に合わせる必要があります。だからこそ、人間工学を最大限に採り入れるために、設計者やエンジニアは、ドライバーを含めたバイク全体をスキャンできる測定機器を使用する必要があるのです。

CADファイルから各部品の開発を進めていくなかで、スポーツバイクの性能をいかに理論から実践に移せるか?

 

空力部品は複雑な形状の設計を経て生み出されますが、製品開発チームは、反復作業を最小限に抑えつつ、どのように複雑な形状を測定して設計を調整するのでしょうか?

空力が、レーストラックで1000分の1秒を削り出して勝利を収めるカギを握る場合も少なくありません。最適な部品作りのため、設計者やエンジニアは複雑な形状を考え出し、風洞やレーストラックでそれらを試験し、調整を行っては試験を繰り返すという作業を行います。このプロセスは、繰り返し作業を伴います。必要な空力部品を可能な限り迅速に作り上げるには、反復作業の回数を最小限にするしかありません。それには、プログラミングや(部分的でなく)表面全体の調整を行うことなく大量のデータの測定を可能にする必要があります。これによって、設計者やエンジニアは、設計プロセスの手間を省きつつ、質の高い部品作りが行えるのです。

すべてきちんと組み合わされている必要のある、数多くの部品で構成されているスポーツバイクですが、製品開発チームは、どうやって大きさや形状、表面仕上げの異なるすべての部品を迅速かつ正確に検査しているのでしょうか?

大きさや形状、表面仕上げの異なるすべての部品を迅速かつ正確に、表面調整を行わずに検査するには、3Dスキャン技術が必要不可欠です。3Dスキャン技術は、専門知識や経験がなくても、設計工場で設計者やエンジニア全員が使え、どこに部品があろうとも(作業現場でも、QCエリアでも、レーストラックでも)、持ち込むことができます。

HandySCAN BLACK 3D scanner projects 11 blue laser crosses to capture intricate details such as helicopter rotor components.
The Creaform MetraSCAN 3D scanner is the most complete target-free scanning solution used for medium to large parts.

 

ソリューション:汎用性と簡便性に優れ、高解像度かつ高速の3Dスキャン技術

高解像度のカメラが、形状やテクスチャを細部まで高精細に表示します。STLデータとCADファイルとの差異を見極めなければならない、設計チームおよび製品開発チームにとって、スキャン品質は欠くことのできない要素です。

汎用性を可能にしているのは、最先端の白色光技術と光学技術に加え、無制限のスキャンボリュームです。3Dスキャナーは、大きさ、形状、材質、表面仕上げや複雑さに関係なく、どのような対象物でもスキャンできます。

プラグアンドプレイデバイスとユーザーフレンドリーなインターフェースを備えているため、専門知識や経験がなくても3Dスキャンが行えることが、簡便性に優れていることの証しです。

高速性は、CADや3Dプリントソフトウェアなど、使用するリバースエンジニアリングへの最適化も処理も終わった状態で生成されるメッシュのシームレスな統合がインスタントメッシュ機能で即可能ということから実現しています。

汎用性と簡便性に優れ、高解像度かつ高速のスキャンソリューションを代表するのが、Go!SCAN 3Dといったメトロロジー・グレード(寸法検査レベル)の3Dスキャナーや、ソフトウェアプラットフォームのVXmodelやand PolyWorksです。

特長:汎用性と簡便性に優れ、高解像度かつ高速の3Dスキャナーが、スポーツバイクの設計をドライバーの体形に合わせて最適化し、最高の走りを実現します。

国際舞台での成功に加え、ドライバーが並外れたバイクの走りを味わう喜びこそが、このバイクメーカーの質の高さの最高の証しです。世界で最も過酷なレースで勝利を収めるのに欠かせない以下の特長は、3Dスキャン技術によってもたらされています。

  • 性能の向上
    レース用スポーツバイクの組み立てには、形状も表面仕上げも様々な、複雑な部品の設計と開発が欠かせません。3Dスキャナーを使うことで、エンジニアや設計者は、かつては測定自体が不可能だった部品の調整を行えるようになり、より一層の性能と堅牢性がバイクに加わりました。
  • ドライバーの体形に合わせた設計
    携帯性に優れた高解像度の3Dスキャナーにより、設計者やエンジニアは、ドライバーを含めたバイク全体をスキャンできるようになりました。これにより、ドライバーの体形に合わせて設計を調整でき、バイクに人間工学を最大限に採り入れ、ドライバーのドライビングポジションも最適化できます。
  • 設計プロセスの最適化
    3Dスキャナーは、(部分的でなく)表面全体の大量のデータを、プログラミングや調整の必要なく取り込めるため、設計者やエンジニアは、空力部品の開発に伴う反復作業数を最小限に抑えることができ、設計プロセスの手間を省くことができます。

 

logo KTM

KTM AGは、オンロードおよびオフロードの高性能スポーツバイクの設計、開発、組み立てを行っています。長年、世界中のバイクレースで実績を上げ続けるKTMは、手強いライバルと目されています。オフロードバイクを得意としていたKTMは、オンロードバイクの世界でも最も革新的なメーカーの1つに成長し、現在、世界最大のスポーツバイクメーカーを目指しています。

取り扱い製品の開発、進化および改良にひたすら取り組んでいるKTM Motorsport社の設計チームおよび開発チームには、場所を問わずにあらゆるものをスキャンできる、汎用性と携帯性に優れた、高速の3Dスキャナーが必要不可欠です。KTM AGでモータースポーツの品質管理担当者を務めるクリスティアン・シュヴァルツ(Christian Schwarz)氏は次のように述べています。「私たちにとって、スピードも同様に重要な要素です。部品をスキャンしてSTLデータを作成し、それとCADファイルとの比較を簡単に行なえる必要があるからです」。KTMがGo!SCAN 3Dを選んだ理由の1つがここにあります。

さらに、Creaformの3Dスキャンソリューションを選択したことにより、設計、製造、品質管理の各チーム間のコミュニケーションも向上しました。いまでは、データのやり取りが容易に行なえます。3Dスキャンを活用したことでネットワークの垣根が低くなり、それによって企業全体に新たな原動力をもたらしています。どのチームもスキャンデータを活用でき、同じ情報に基づいて一致協力しています。

ほぼすべての部品をスキャンでき、また、どこにでもGo!SCAN 3Dを持ち込むことができるため、KTM Motorsport社の設計チームと製品開発チームは、さまざまな改良を行えるようになっています。Go!SCAN 3D購入前に比べ、同社は非常に大きなメリットを手にしています。最新のスポーツバイクのお披露目に胸躍らせる、KTM AGのモータースポーツ品質管理責任者であるセバスティアン・ヴィット(Sebastian Witt)氏は次のように述べています。「Go!SCAN 3D購入以前なら調整など考えもしなかった部品の調整ができるようになりました」

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