電気自動車の設計とガソリン車の改造に役立つ3Dスキャン

自動車業界は劇的に変化しています。世界がより持続可能なエネルギー源へと移行しつつある中、ガソリン車からの移行をけん引しているのが、電気自動車(EV)です。ごく最近、『Gear Patrol』と『Car and Driver』で、アキュラ、アウディ、メルセデス、シボレー、フォード、BMW、Polestar、キア、ヒョンデをはじめとする様々な自動車メーカーの未来のEVが紹介されました。アルファ ロメオ、マセラティ、ベントレーといった高級ブランドメーカーですら、EVの時流に乗っています。

さらに、DIY愛好者やクラシックカー収集家の需要が原動力となり、販売店やアフターマーケット業界でも、内燃エンジン車の電気自動車への改造の需要が大幅に高まっています

しかし、EVを開発したり、従来の車を電気自動車に改造することは、ただエンジンを交換してバッテリーを増強すればいいというような生易しいものではありません。それは、正確かつ詳細で革新的なエンジニアリングを必要とする、複雑なプロセスなのです。自動車設計のこの新たなアプローチで中心的な役割を担うのが、3Dスキャン技術です。

今回、Creaformの顧客であるフィアロ社に話を聞く機会を得て、3Dスキャナーをどのように活用してEVのデザイン開発に取り組み、顧客の要望に応えて従来のガソリン車をEV仕様にアップグレードしたりしているのかを伺いました。

日本に拠点を置き、カリフォルニア州アーバインに事務所を構えるフィアロ社は、自動車産業に研究、設計、製品開発のサービスを提供する自動車業界向け技術開発・設計エンジニアリング企業です。80年にわたる活動で、フィアロ社は、市場において羨望に値する地位を築き上げ、技術の限界を常に押し広げ続けています。

 

電気自動車のバッテリーをスキャンするフィアロ社のチームメンバー

フィアロ社のエンジニアリング・マネージャーは、EV設計・検査ワークフローに
Creaform3Dスキャナーを活用しています

3Dスキャン:最新のEV設計に欠かせない技術

製造業者が革新的な電気自動車(EV)モデルを作成する新しいプロジェクトに着手する際、メトロロジーグレードの3Dスキャナーはエンジニアや産業デザイナーが既存の内燃機関車両の3D測定を正確に取得するのに役立ち、それを基にEVの設計の出発点として使用できます。

複数の物理的なプロトタイプと反復を含む従来の車両設計手法は、時間がかかりリソースが多くかかります。3Dスキャナーを使用することで、これらのEV開発プロセスに関連するコストを大幅に削減し、自動車メーカーの市場参入までの時間を短縮することができます。

Phiaroのデザインチームは、CreaformのGo!SCAN SPARKを使用して、従来のデジタルカメラでの写真撮影や車両のテストを行うために治具に固定された旧式な機器を使用する従来の方法を置き換えています。これらの方法はPhiaroの開発チームにすべての情報がすぐに利用可能でないか、またはエンジニアリングおよびパフォーマンスの評価に必要な精度を提供していなかったため、非効率的でした。Go!SCAN SPARKは、位置合わせターゲットを使用せずに測定を生成し、時間を節約し、色と一緒に正確なテクスチャ情報をキャプチャします。

3Dスキャニングと複合現実感技術の融合

新たな技術の導入で常に時代の先を行くフィアロ社は、Go!SCAN SPARKによって車両の経年変化による腐食や劣化を測定しています。3Dスキャンで得られた詳細なテクスチャ状態とカラー情報を組み合わせて得た車体の錆に関する情報を併せて活用し、テスト結果のデータベースをデジタルアーカイブのストックとして構築することで、検査チームは、選択した材質やコーティング、デザインの耐久性をどうすれば向上させられるかについての貴重な洞察を得ています。データベースの構築により、取り込み画像ファイルの管理も従来の写真ライブラリよりも極めて容易になっています。

また、フィアロ社のエンジニアは、3Dスキャンデータを取り込んで、車両の正確な仮想モデルを再現しています。これらのモデルを複合現実ツールで統合すると、エンジニアは目の前の現実の空間とMRゴーグルでとらえた画像を重ね合わせることで、3D空間で車両を探索して回ったり、構成部品を調べたり、実物の車両スペースに取り付けた場合のEVエンジン設計を仮想現実で確認したりできます。

この仮想検証プロセスによって、設計と試験にかかる時間を大幅に削減できます。また、別々の拠点で作業を進めている世界中のエンジニアがリアルタイムで協力し合える、格好のツールにもなります。栃木県のエンジニアが設計し、埼玉県の同僚が結果を確認する。同じ車両モデルを仮想現実で見て回り、すぐにフィードバックを返し、変更を確認する。こういった様子を想像してみてください。

EV設計・検査ワークフローにCreaformの3Dスキャナーを活用するフィアロ社のエンジニアリング・マネージャーは、自社の輝かしい未来を確信しています。自動車業界で働く多くの人たちが自覚するように、EVの設計と性能における革新という点では、この業界はまだ歩みを始めたばかりです。

Creaformの3D測定技術が製品開発や品質管理をいかにサポートできるかについてより詳しくお知りになりたい場合は、弊社のエキスパートに今すぐお問い合わせください

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